立山追分の孤立した池塘の成因とその形成時期について
書誌事項
- タイトル別名
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- On the origin of the isolated pond in Tateyama Oiwake and the time of its formation
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説明
立山追分で全く独立して存在している池塘について、ピンポールによる地下構造の調査、コア採取と粒子計測、年代測定を行った結果、地表の堤防直下に比較的硬い粘土で形成された高まりがあり、最終氷期に形成された堤防の名残と考えられた。池塘の形成開始は14027 – 13754 calBPよりも前と推定され、形成のきっかけについては不明であった。最終氷期の間は集水域の泥炭層が薄く、流入水量が池塘の大きさに比べて大きくなったため池塘底堆積物が堆積しにくく、堤防やその外の斜面上での風成塵などの堆積速度の方が大きくなり、水深が増加した。温暖期になって集水域に泥炭が厚く形成されるようになると流入水量が低下し、池塘底の堆積が堤防や斜面などよりも早く進み、水深が浅くなって現在に至ったと考えられた。この池塘の鬼界アカホヤ火山灰が飛来した7300年前頃の水深は最大で30 cm程度と推定された。
収録刊行物
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- 富山市科学博物館研究報告
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富山市科学博物館研究報告 45 25-36, 2021-07-01
富山市科学博物館
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050300777678813184
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- NII書誌ID
- AA12306127
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- ISSN
- 1882384X
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB