長野県の外行方言
書誌事項
- タイトル別名
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- Gaiko Dialects of Nagano Prefecture
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説明
地域語が共通語に受容される過程を「外行」と呼び、その方言を「外行方言」と呼ぶことを述べた。そして、長野県からの外行方言として三例をとりあげ、それらの外行過程を観察、考察した。「ピンピンコロリ(PPK)」は、長野県下伊那郡高森町の教育委員によって造語された。当初は「それを幸せに思う気持ち」が表現された語で、「PPK 運動」という複合語としても使用された。その後、「ピンピンして健康で長生きしてコロリと死ぬ」という様態を指す名詞として長野県内では定着し、全国的にも使用されるようになった。平均寿命の延びで健康長寿が願われる時代に移行したこと、平均寿命が上位に位置する長野県からの発信であったこと、すでにあった共通語の副詞「ぽっくり」にくらべて意味が拡張し名詞としての自由度を獲得したことなどが、全国的な伝播を後押ししたと考えられる。「二年参り」「おつかれさま」についても、地域語の変容をとらえながら、全国に伝播した要因を、社会文化、意識態度、言語それ自体に注目しつつ分析、考察した。
収録刊行物
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- 信州大学人文科学論集
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信州大学人文科学論集 12 (1), 51-67, 2024-09-15
信州大学人文学部
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050301850358436352
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- NII書誌ID
- AA12678245
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- HANDLE
- 10091/0002002367
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- ISSN
- 24238910
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB