骨盤内膿瘍に対する腹腔鏡手術の有用性

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タイトル別名
  • コツバン ナイ ノウヨウ ニ タイスル フククウキョウ シュジュツ ノ ユウヨウセイ
  • Utility of laparoscopic surgery for pelvic abscesses

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説明

骨盤内膿瘍に対する治療は,抗生剤による薬物療法が主体であるが,抗生剤無効例や,消化管から発生した膿瘍との鑑別を要する症例では外科的アプローチが必要となる。骨盤内膿瘍の場合,炎症による癒着が強いことが多く,手術は比較的難易度が高い。しかし,高度の炎症で疲弊した患者の負担を軽減するために,近年では腹腔鏡手術が積極的に導入されており,当院でも可能な限り腹腔鏡手術で対応している。抗生剤による治療が無効であった付属器膿瘍に対して腹腔鏡下手術を施行した4症例について報告する。4例とも輸血を要するような出血はなく,また他臓器損傷もなかった。術後は,速やかに炎症所見が改善し特に問題なく経過した。 骨盤内膿瘍に対する腹腔鏡手術は,ドレナージによりすみやかな炎症軽減が可能であり,かつ低侵襲であることから有用性は高い。一方で,(汎発性腹膜炎などで,)腸管麻痺を伴う症例では,腸管の膨隆のため腹腔鏡下の視野確保が困難であり,腹腔鏡手術の適応は慎重であるべきであると考える。

収録刊行物

  • 現代産婦人科

    現代産婦人科 59 (1), 59-63, 2010-09-28

    中国四国産科婦人科学会

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