介護老人福祉施設で自分から人との交流をもとうとしない高齢者の思い

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タイトル別名
  • カイゴロウジン フクシ シセツ デ ジブン カラ ヒト ト ノ コウリュウ オ モトウ ト シナイ コウレイシャ ノ オモイ
  • Feelings of elderly nursing home residents who do not proactively attempt to interact with others

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説明

介護老人福祉施設においても,施設の個室に閉じこもる高齢者が増えてきている. 本研究の目的は,介護老人福祉施設で自分から人との交流をもとうとしない高齢者の思いを明らかにすることである. 介護老人福祉施設入所高齢者10人に半構成的面接を行った.対象者は,男性3人および女性7人で,平均年齢は76.8±7.9歳,入居期間は6カ月から14年であった.所属大学の倫理委員会審査で承認を得て行った.その結果,【ここの暮らしになじめない】,【周りに人がいるけれどさみしい】,【ここではしたいことがない】,【自分から人とかかわりたくない】,【体の調子が悪いので何かをしようと思わない】【気兼ねせず好きなようにしたい】,【人に迷惑をかけたくない】という7つのカテゴリーが抽出された.人や環境に対してなじめないので,自分から人とかかわり,したいことを見つけようとすることができず,体調不良や人に迷惑をかけたくないという思いが,新しい環境に働きかけることを消極的にさせ,さみしい思いで過ごしている高齢者の姿が浮かび上がってきた. 今後に向けては,高齢者が新しい環境になじめるような場づくりや,入居当初から関係形成を計画的に進めることが必要と思われた.また,活動が消極的にならないように体調管理が重要であると考えられた.

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