看護学生に対する訪問看護師の実習指導の現状と指導についての意識

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タイトル別名
  • カンゴ ガクセイ ニ タイスル ホウモン カンゴシ ノ ジッシュウ シドウ ノ ゲンジョウ ト シドウ ニ ツイテ ノ イシキ
  • 訪問看護師の実習指導の現状と指導についての意識
  • Visiting Nurses’ Awareness of the Current State of Clinical Practicum and Guidance

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説明

本研究は,訪問看護師への質問紙調査から,看護学生に対する訪問看護師の実習指導の現状と実習指導についての意識を知ることを目的に実施した.対象は,A県で在宅看護実習を受け入れている訪問看護ステーションの訪問看護師198名であった.質問は,実習指導の現状(20項目)と実習指導の意識(10項目)に,「当てはまる(5点)」から「全く当てはまらない(1点)」の5段階で回答を求めた.その結果,実習指導の現状では「学生の利用者や家族への理解が深まるように情報を提供している」「学生が連携について理解が深まるように助言している」「学生に指導するときは言葉や伝え方に配慮している」の3項目が4.40と高かった.実習指導についての意識では,「指導することを通して自分の成長につながる」「指導することで学びなおす機会となる」の2項目が4.17と高かった.また,実習指導の際に心がけていることや信念への自由記載から,【対象全体を捉えやすくする】【思いや基本を伝える】【対象の尊重と支援の方法を伝える】【共に学ぶ存在として学生をとらえる】の4カテゴリが抽出された.以上のことから,訪問看護師は学生に対して,マニュアルに頼らず,利用者や連携についての情報提供や助言をしており,個々に合わせた指導をしている現状がわかった.また,訪問看護師は学生が緊張しないように,言葉や伝え方に配慮をして学生に関わっていることが明らかになった.訪問看護師経験の長い者の方が,実習指導を,自分自身の学び直す機会や自分の成長につながる経験であると捉えており,実習指導についての意義を見いだしていると思われた.また,雇用形態によって,実習要項の確認や記録への助言,反省会への参加などに差があり,訪問看護師間における情報伝達や指導方法についての工夫が必要である.

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