治験コーディネーター業務における看護師の専門性の意義に関する検討

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タイトル別名
  • チケンコーディネーター ギョウム ニ オケル カンゴシ ノ センモンセイ ノ イギ ニ カンスル ケントウ
  • Analysis of nurse speciality in functions as clinical research coordinator for clinical trials
  • CRC業務における看護師の専門性の意義に関する検討

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説明

治験の質の向上に治験コーディネーター(CRC)業務の充実は不可欠である.今回,CRC業務における看護師としての専門性を解析し,さらに専門性をどのようにCRC 業務の質向上に結びつけるかに関して検討した. 進行期肺癌に対する抗癌剤の治験(2002.2~2003.5)を対象に,実際にCRCが行った支援業務の中で,看護師としての専門性が有意義であった項目を解析した. CRC業務を被支援者別に分類すると,被験者20,医師22,他部署19項目となった.うち5項目(インフォムドコンセント同席/説明補助,診察時同席/介助,観察/計測,情報提供,スケジュール管理)が2被支援者にまたがる支援内容であり,いずれも被験者に接する場での業務であった.個々の項目についてCRCの意義を検討すると,この治験は末期癌の患者を対象としていたため,疾患が憎悪するのではないかという不安の中で,同意取得時と4週毎の効果判定時の心理的サポートが,治験の遂行におけるCRCの大きな役割であった.このような治験対象患者への心理的サポートは看護師だからこそできる業務であり,そこにCRC活動における看護師の専門性の意義が認められた. 以上より,被験者に接する場での治験支援活動は,特に看護師の専門性を活かし,治験の質を向上させうるCRC業務であると考えられた.

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