イングランドにおける社会的包摂に向けた支援 : ブレア政権の社会的排除対策とボランタリー・セクターの役割

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タイトル別名
  • イングランド ニ オケル シャカイテキ ホウセツ ニ ムケタ シエン : ブレア セイケン ノ シャカイテキ ハイジョ タイサク ト ボランタリー ・ セクター ノ ヤクワリ
  • Support system for homelessness in England : Policies against social exclusion and the role of Voluntary Sector under the Blair government

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説明

1997年以降英国労働党ブレア政権下において推進された「社会的排除」への対策と特にその究極の状態としてのホームレス支援においては,イングランドの場合,ボランタリー・セクターが政府と連携して主たる支援活動を繰り広げてきた。したがって本稿は,政府と連携したボランタリー・セクターのホームレス支援について整理することを通して,「社会的排除」に対する地域での実践活動を概観するとともに,政府と連携しない独立型のボランタリー・セクターについても社会におけるその役割を検討する。  ブレア政権時代のホームレス支援政策は,「社会的排除」という新しい概念を導入することにより,ホームレス問題を単なる住宅政策のひとつとしての問題ではなく複合的な問題に再編したが,その中では政府と連携したボランタリー・セクターが重要な役割を担った。同支援政策は一定の成果を上げたものの,短期的な該当者数の減少を主な目的としたものであったため,社会的排除の問題は路上から住宅へと場所を変えただけであり,本質的な問題は解決されていないことも少なくない。一方,政府と連携しないボランタリー・セクターも,コミュニティとして生活と就労を共にし,社会的包摂の点において前者ほどの規模には満たないが,重要な役割を担っていることが明らかになった。

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