徳島県における農地の変化と洪水リスクへの影響に関する研究

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  • <《論文》査読付き> 徳島県における農地の変化と洪水リスクへの影響に関する研究
  • Farmland Changes in Tokushima Prefecture and Their Impact on Disaster Risk

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本研究では、徳島県を対象に、グリーンインフラとして重要な役割を担う農地の変化傾向をとらえ、それに起因する洪水リスクを評価した。洪水災害をハザード、その曝露対象を世帯、世帯が存在する土地特性を雨水流出量で表し、その組み合わせにより洪水リスク評価値を計算した。まず、県内を四つのゾーンに分けて農地変化傾向を分析したところ、市街化調整区域が含まれる都市周辺部、農業が中心の平地部ではまとまって農地が減少しており、中山間地域では小規模かつ分散的な農地減少がみられた。さらに、農林業従事者数が減少するほど農地も減少すること、平地部の農地減少面積が大きいこと、道路密度が2km 以下のメッシュで農地減少が進んでいること、スーパーマーケットと小学校に近いほど農地が減少していることが分かった。最後に、洪水リスク評価値を計算したところ、徳島市西部の石井町や吉野川市付近、徳島市北部の藍住町、北島町付近で洪水リスクが増加するメッシュがまとまって、中山間地域では小規模かつ分散的に洪水リスクが大きくなるメッシュが存在していた。特に、吉野川中下流域では、洪水リスクが高いメッシュと洪水浸水域が重複しており、農地の維持管理が必要であることが示された。

収録刊行物

  • 災害復興研究

    災害復興研究 12 1-17, 2021-01-15

    関西学院大学災害復興制度研究所

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