国内市販インスタントコーヒー,ドリンキングコーヒー及びココア製品のオクラトキシンA,Bと14-(R)-オクラトキシンAの汚染調査
書誌事項
- タイトル別名
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- Occurrence of ochratoxin A, B and 14-(R)-ochratoxin A in commercial instant and drinking coffee and cocoa products in Japan
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説明
2023年に国内市販インスタントコーヒー,ドリンキングコーヒーとココア製品のOTA,OTBと14R-OTAの汚染調査をイムノアフィニティーカラム-HPLC法で行った.その結果,インスタントコーヒーでは36検体中35検体(97.2%)で陽性平均0.52 μg/kg,最大1.75 μg/kgのOTAが検出された.14R-OTAは30検体(83.3%)で検出され,最大値は1.17 μg/kg,全検体の平均値は0.26 μg/kgであった.OTBは18検体(42.9%)で検出され,最大値は0.141μg/kg,全検体の平均値は0.049 μg/Lであった.EFASのOTAの基準値5 μg/kgを超える検体はなかった.ドリンキングコーヒーでは42検体中34検体(81.0%)で陽性平均0.153 μg/L,最大1.113 μg/LのOTAが検出された.全検体の平均値は0.125 μg/Lであった.14R-OTAは25検体(59.5%)で検出され,最大値は0.363 μg/L,全検体の平均値は0.057 μg/Lであった.OTBは18検体(42.9%)で検出され,最大値は0.141 μg/L,全検体の平均値は0.049μg/Lであった.EFASのワインなどの飲料のOTAの基準値2 μg/Lを超える検体はなかった.しかし,インスタントコーヒーOTAの基準値から計算されるドリンキングコーヒーの基準値は0.071 μg/Lであり,22検体(52.4%)がこの値を超えていた.日本で市販されているドリンキングコーヒーは充分に安全であるとはいいがたいOTA汚染であった. ココア製品41検体のOTA汚染調査を行った結果,41検体すべてがOTA陽性であり,平均値は1.02 μg/kgであった.EFASの基準3 μg/kgを超える検体は4.27と6.94 μg/kgの2検体あった.製品区分では,ココアパウダー22検体のOTA平均値±SDは1.02±1.27 μg/kgであり,調製ココア19検体の平均値±SDは0.39±0.27 μg/kgであった.有意に砂糖やミルクなどを含まないココアパウダーのOTA濃度は高かった.最大汚染の毎日ココア毎日1杯飲んだ場合のOTAの摂取量はTDIの13%で,健康被害は発生するとは考えにくい.しかし,EFASの基準3 μg/kgを超える検体が2検体(4.9%)あったことから,今後,継続的監視が必要と考えられた.
収録刊行物
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- 香川大学農学部学術報告
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香川大学農学部学術報告 77 (130), 63-69, 2025-02-28
香川大学農学部
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050303697459024896
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- NII書誌ID
- AN00038339
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- ISSN
- 03685128
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB