金属イオン封鎖剤の洗浄助剤的効果
書誌事項
- タイトル別名
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- キンゾク イオン フウサザイ ノ センジョウ ジョザイテキ コウカ
- Preliminary Studies about Effects of Some Sequestering Builders
説明
個体粒子汚れとして, 従来のカーボンブラックの汚染布とフェリックオキシネートの汚染布について, それぞれ水溶性カルシウムを付着したものと付着しないものについて金属イオン封鎖作用をもつトリポリ燐酸ナトリウムと2種類のEDTAのNa塩の洗浄助剤効果を求めた。なお, 界面活性剤としてはイオン性と非イオン性それぞれ1種ずつについて実験を行った。洗浄の差を大きくさせるためにカルシウムの付着量, 洗剤および助剤濃度も実際洗浄の場合に比して多少高い濃度のものを使用した。その結果, カーボンブラックの汚染布とフェリックオキシネートの汚染布ではその助剤に対する洗浄性能は全く異っていた。すなわち, カーボンブラック汚染布はコロイドの凝析と解惑を繊維の汚れ付着と洗浄に類似したものとして適応した洗浄理論から予想される助剤の効果が全く現われず, むしろ逆に助剤の存在が洗浄に悪い影響を与える結果も観察された。一方, フェリックオキシネート汚染布に対する助剤の効果は上記理論から予想される結果に対して矛盾した結果は全く認められなかった。したがって, カーボンブラック汚染布にCa^++を付着して助剤効果に対する天然汚れ布と平行した感受性を与えようという試みは絶望的であったが, フェリックオキシネート布はこの点についてかなりの期待を与えた。カーボンブラックの汚染布とフェリックオキシネート汚染布のCa^++処理および助剤に対する全く相反する挙動の原因は不明であるが, この点については今後の研究が待たれる。
収録刊行物
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- 大阪市立大学家政学部紀要
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大阪市立大学家政学部紀要 13 31-41, 1966-02
大阪市立大学家政学部
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050303951699952512
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- ISSN
- 04734742
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB