ジャニーズ事件の背後にあった芸能界の「闇構造」の解明 : 芸能事務所とテレビ局の依存関係のネットワーク分析
書誌事項
- タイトル別名
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- Analyzing the hidden corporate structures behind J-Pop sex abuse : A social network study of the Japanese entertainment industry
- ジャニーズ ジケン ノ ハイゴ ニ アッタ ゲイノウカイ ノ 「 ヤミ コウゾウ 」 ノ カイメイ : ゲイノウ ジムショ ト テレビキョク ノ イソン カンケイ ノ ネットワーク ブンセキ
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説明
所謂「ジャニーズ事件」は,日本の芸能界とメディア産業の「闇の構造」に光を当てることになった.この背後にあった複雑な組織関係構造を詳しく探るため,ジャニー喜多川生存中の2018 年第3 クールの<テレビ番組とその在京放送テレビ局><テレビ番組とそれへの芸能人の出演><芸能人とその芸能事務所への所属>のネットワーク・データが,音楽番組,ドラマとバラエティー番組に関して収集され,4 部グラフモデルによって社会ネットワーク分析(k- コア分析,中心性分析,コミュニティ解析,ネットワーク分離度分析)に附された.この過程で集計された<芸能事務所×テレビ局>のクロス集計から,平均強度からの十分な乖離度として定義された芸能事務所とテレビ局の関係強度が,両者の組織間依存関係の強度として測定された.この依存関係は,芸能事務所のテレビ局へのタレント送出関係と,テレビ局の芸能事務所からの受入関係に分解され計算された.得られた知見は以下である.1)芸能界の「スモールワールド的」縮図が発見され,ジャニーズ事務所は芸能界ネットワークの「コア」を形成していた.2)特定の事務所とテレビ局の依存関係は確かに見られ,とりわけエンタメ業界の中核を構成する「歌番組とドラマ」に強いフジテレビとジャニーズの間には,非常に強い相互依存関係が見出された.3)圧倒的に番組数の多いバラエティーでは吉本興業の存在が大きく,芸能界の構造を単純なジャニーズ支配では語れず,吉本興業も日本テレビとの間に強い相互依存関係が見られた.つまり,熾烈なライバル関係にある日本テレビとフジテレビは,競争しつつも,タレント依存関係においてある程度「棲み分け」をしていた.4)最後に,ジャニーズタレントの間には,他の芸能プロダクションに比べて同じ番組に出演しやすい内部結合傾向が見出された.
収録刊行物
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- 京都マネジメント・レビュー
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京都マネジメント・レビュー 46 19-43, 2025-03-28
京都産業大学マネジメント研究会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050304084433528192
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- NII書誌ID
- AA1167166X
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- HANDLE
- 10965/0002000392
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- NDL書誌ID
- 034079895
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- ISSN
- 13475304
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- NDLサーチ