製作原価の算定とコロナ危機─無効原価に関する二つの学説によせて─

書誌事項

タイトル別名
  • Theories on Accounting Treatment of Unutilized Costs During the Coronavirus Pandemic
  • 製作原価の算定とコロナ危機 : 無効原価に関する二つの学説によせて
  • セイサク ゲンカ ノ サンテイ ト コロナ キキ : ムコウ ゲンカ ニ カンスル フタツ ノ ガクセツ ニ ヨセテ

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説明

本稿の目的は,製作原価の算定の枠組みにおいて,無効原価に関する二つの学説が提唱された理由を解明することである.考察の結果,一方の論者は原価計算における「操業度」を減少させ得る論理を,他方の論者は「操業度」を高める論理を提唱していることが判明した.これらの「操業度」に新たな解釈を与えることで,両者とも,コロナ危機を契機として,製作原価の算定の枠組みにおいて,その金額を変動させ,ひいては期間損益に影響を与えようとする論理展開を行っているのである.その意味は,年度決算書における資産および利益の悪化状況を表面化させない会計処理を,あるいは税や配当の支払いを低下させる会計処理を定着させることにあると考えられる.

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