読者の文学体験を基軸とした「読むこと」の発達的観点から再考する文学教育の理論的考察

書誌事項

タイトル別名
  • A Tkeoretical Reconsideration of Literary Education from a Developmental Perspective on Reading, Centered on Readers' Literary Experiences.
公開日
2026-03-10
資源種別
departmental bulletin paper
公開者
福島 : 福島学院大学

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説明

本論文の目的は、幼児期から小学校段階における文学作品を読む行為の内実を〈文学体験〉として捉え、その生成および発達的構造を明らかにした上で、幼児教育を起点とする文学教育の在り方を理論的に提示することである。まず、文学教育における〈文学体験〉の位置づけを検討するため、読者反応理論におけるスタンス論を中心に、認知心理学、文学理論、国語教育研究などの先行研究を整理した。次に、読者の発達からみた文学体験の生成過程について、読むことの発達モデルおよび読者スタンスの変容を視点として、文学体験の構造を検討した。その結果、物語世界への没入や同化としての〈参加〉は、読書行為の成立に不可欠な基盤的条件であると同時に、自己と物語との関係を距離化し、省察的に捉え直す段階へと移行する発達的転換を内包することを明らかにした。そこで本研究は、文学教育における「参加(没入)」の基盤的役割に着目し、物語への「参加する力」を中核に位置づけた文学体験に基づく文学教育モデルを構成した。本モデルにより、幼児期における遊び的・体験的な関与が、学校段階における読者の文学体験のプロセスとして体系的に位置づけられることを示した。本モデルは、幼児教育と学校段階の文学教育を、文学体験の連続的生成として統合的に捉える理論的枠組みを提供する。

収録刊行物

  • 研究紀要

    研究紀要 71 28-40, 2026-03-10

    福島 : 福島学院大学

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