大規模山岳における低気圧性渦の剥離

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タイトル別名
  • Numerical simulations of the eddies generated by a large mountain

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抄録

大規模山岳による低気圧性渦の生成メカニズムを探るため,回転場,成層場における三次元の理想実験を非静力学プリミティブモデルを用いて行った。その結果,山岳頂上付近において山岳半値幅と同スケールの低気圧性渦が生成し,風下側へ流されていく様子が再現できた。移動速度からこの低気圧性渦は山岳風下側にできた重力波であり,その初期段階における生成メカニズムの可能性としては山岳を越える流れが風下側において下降流域を形成したことによる大気の伸張作用によることが示唆された。また渦の維持メカニズムとしては,山岳を下降した空気が上層から高温位空気をもたらしたことによって気圧低下が起こり,地衡風バランスによって正の渦度が生成されたためと判明した。しかしながら計算2により,生成された低気圧性渦の渦度強度は一般風速に依存することがわかり,それは先行研究と完全には一致しない特徴であったが,その理由は一般風が強くなることで山岳風下側への高温位移流を強めること,非線型効果によることが考えられた。低気圧性渦の生成メカニズムをより詳細に調べるため,計算3において一般風をサインカーブで周期的に変化させ,風速変化による低気圧性渦の生成時の状態を詳細に調べた。その結果,高温位空気の移流による大気の伸張効果は主な生成メカニズムであることが分かった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050564285647166080
  • NII書誌ID
    AN00027784
  • ISSN
    0386412X
  • HANDLE
    2433/129148
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB

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