ポプラの二次師部の構造

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タイトル別名
  • Structure and Development of the Secondary Phloem in Populus euramericana GUINIER
  • ポプラ ノ 2ジシブ ノ コウゾウ

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説明

ポプラの二次師部の発達経過および二次師部中での師管と師部放射組織の形態変化, さらには師部繊維の分化と壁層構造について観察し, 次の結果を得た。(1) 二次師部の分化は師管・柔細胞群に始まり, その後師部繊維群と師管・柔胞群が交互に分化し, 最後に師管・柔細胞群を分化して生長を終える傾向があった。(2) 休止期の形成層帯の師部側に, 分裂を行なった後生長を止めている細胞が認められた。これらの細胞は次の年に師管・柔細胞群に分化してゆくと考えられる。(3) 成熟した師管においても師板付近には常に核が認められた。(4) 師部放射組織は二次師部中でさまざまな形態変化を生じた。特にdilationが顕著であった。ほとんどのsclereidは放射組織細胞起源で, 師部繊維群と交差する部分の細胞から変化する傾向が認められた。(5) 師部繊維群は次に形成された師管・柔細胞群によって形成層から分離されたのち, 侵入生長を行なうと考えられる。生長休止期までにはすべての師部繊維は内腔がほとんどなくなるほどに肥厚していた。crystaliferous strandの分化は師部繊維群の分化と同時にその周縁で起った。(6) 偏光顕微鏡で見ると師部繊維壁に内外二層が認められ, フィブリル傾角は内層が30° - 40°, 外層が60° - 70°であった。

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