木材の光沢異方性および細胞内こう面からの反射について

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  • Anisotropic Gloss of Wood and Light Reflection at the Surface of Lumina
  • モクザイ ノ コウタク イホウセイ オヨビ サイボウナイコウメン カラ ノ ハ

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抄録

木材特有の上品な光沢は, 絹の光沢と同様微小な凹面からの反射が主因であると考えられ, 木材の細胞内こう面からの反射がどの程度強いものであるかを目切れ角 (もぐり角) aを持つ試験体を用いることにより明らかにした。すなわち, 入射角θに対して木材細胞壁の切断面からの鏡面反射は受光角θでとらえることができ, 細胞内こう面からの反射はθ±2aにおいてとらえることができる。ヒノキ材のa=10°および15°の傾斜試験体を用いた測定結果では内こう面からの反射が壁切断面反射より大きく, また入射角が60°より45°の方が, すなわち入射角が小さい方が内こう面からの反射が相対的に強くなることが明らかとなった。またビンタンゴールのように比重が高く, 細胞内こう径の小さい材では内こう面からの反射は相対的に小さかった。一方, 偏光を用いた変角光沢測定を行ない, 内こう面からの反射および壁切断面からの反射のいずれにおいても表皮での鏡面反射成分の占める割合が他の角度より大きいことが確められた。さらにまた落射顕微鏡により細胞内こう面の光る状態を観察し, 写真撮影を行なった。

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