「道徳」の特設をめぐる議論 : その特徴と社会的背景

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  • 佟, 占新
    京都大学大学院 人間・環境学研究科 共生人間学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • The Characteristics and the Social Background of the Debate over the Implementation of "Dotoku
  • 「 ドウトク 」 ノ トクセツ オ メグル ギロン : ソノ トクチョウ ト シャカイテキ ハイケイ

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抄録

本研究では, 1950年の天野貞祐文部大臣による修身科復活論から1958年の「道徳」の特設にいたるまでの, 1950年代における徳育教科の設置をめぐる賛否両論を分析し, その共通した特徴として, 修身科復活への反対と全面主義道徳教育への擁護が挙げられることを指摘した. そして, このような議論が登場した背景には, 予どものしつけをしようとする国民の道徳教育の要求と国民の愛国心を涵養しようとする政府の道徳教育の要求が共に高まり, しかも双方ともそれを学校教育に求めた点で一致したことを明らかにした. そして, これらの道徳教育の要求によって, 道徳教科の設置を求める機運が高まり, 「道徳」が設置されたことを明らかにした.

収録刊行物

  • 人間・環境学

    人間・環境学 24 13-28, 2015-12-20

    京都大学大学院人間・環境学研究科

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