MDCTによる膵臓の診断:膵癌の進展度診断を中心に

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抄録

Multidetector-row CT(MDCT)はきわめて高い空間分解能と時間分解能を有しており, 膵の画像診断に大きな変革をもたらした. そのCT撮像におけるポイントは, 高い空間分解能と多相撮影によるdynamic studyにある. ヨード造影剤を急速静注したのち, 動脈相, 膵実質相, 門脈相, 遅延相の4相で撮像を行うことにより, 膵病変の検出や性状評価あるいは進展度診断について詳細な情報を得ることができる. また, 高分解能のmultiplanar reformation(MPR)像を作成することにより, 病変の検出や進展度診断をさらに正確に行うことができる. 膵癌の局所進展度は予後との関連が強く, 膵癌取扱い規約第5版で改訂が加えられた部分であるが, ここで記載されている8つの局所進展度因子についてもかなり正確な評価が可能となりつつある. 「はじめに」膵疾患の画像診断においてCTはその中心的役割を担っているが, 近年, ヘリカルCTにおける多列検出器の導入によりきわめて高い空間分解能と時間分解能を獲得するに至ったことで, その重要性は一段と増した.

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