松亭金水の随筆をめぐって-『太平楽皇国気質』を中心に

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  • ショウテイ キンスイ ノ ズイヒツ オ メグッテ タイヘイラク コウコク キシ

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説明

松亭金水(中村経年・積翠道人、寛政七~文久二・一七九五~一八六二)は、人情本以外にあまり問題にされることのない作者と言ってよいだろうが、私はたまたま、その随筆『太平楽皇国気質』を手にすることがあって以来、いささか金水に興味を抱いている。といっても、それが優れているからというのではない。むしろ、その安易な文章に呆れるのだが、と同時に、こうした作者がかなり広範囲に仕事をしていたことを不思議にも思うからである。そして、ここには無思慮と無邪気が同居しており、それを「思考」と名付けることはためらわれるが、しかし、やはりそれを「日本的思考」とでも名付けるよりほかないような、そんなものが感じられるのである。

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