国際航空自由化への道 : アジア・オープンスカイの課題

書誌事項

タイトル別名
  • コクサイ コウクウ ジユウカ エノ ミチ : アジア・オープン スカイ ノ カダイ
  • Kokusai koku jiyuka eno michi : Ajia opun sukai no kadai
  • Open-sky policy-issues on the Japan's approach

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抄録

type:text

オープンスカイ政策が世界の潮流となる中,日本が旧来の保護主義的国際航空政策に固執すれば,消費者利益と日本経済全体にとっての利益を損なうばかりか,本邦航空会社の競争力低下にもつながるおそれがある。政府方針として採択されたアジア・ゲートウェイ構想における国際航空自由化方針は,日本の国際航空政策の一大転換点として評価されるが,不十分な部分もあり,望ましい国際航空政策としては以下の諸改革が求められる。 第1 に,競争条件のイコールフッティングを前提に,二国間の路線への自由参入,以遠権の自由な交換,航空運賃の自由化,国内運航権の外国航空会社への開放,外資規制の撤廃,関西空港,中部空港および地方空港の完全開放を行うべきである。また,権益の交換にあたっては,航空の範囲にとらわれず,広い視点から国益の交換を検討すべきである。 第2 に,首都圏空港の容量制約に対応するため,2010年に完成予定されている羽田と成田の容量拡大工事の前倒しを行うとともに,二次空港の活用策について検討すべきである。また,発着間隔,飛行ルート,管制方式,誘導路と滑走路の改善や見直し等により,現行発着枠および容量拡大工事完成後の予定発着枠の拡大を図るべきである。 第3 に,現行首都圏空港施設の有効活用を図るため,①羽田・成田の国内国際両用化を図る,②発着枠の配分については,硬直的なペリメータ規制ではなく,競争入札方式など価格メカニズムを通じて利用者ニーズを反映させる方式を採用する,③羽田については,公用機枠の一部活用や特定時間帯の国際線への完全開放等を行う,等の施策を実施することにより,2010年以前においても国際線の増加を実現するべきである。 第4 に,航空会社の経営資源を有効活用する観点から,機材,運航乗務員にかかる国際基準等の相互認証,運客一体化条件等の規制を撤廃・緩和すべきである。 第5 に,空港整備特別会計制度を解体し,民営化を促進して空港整備と運営の効率化を図るべきである。

商学部創立50周年記念 = Commemorating the fiftieth anniversary of the faculty 50周年記念論文

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 50 (4), 63-82, 2007-10

    慶應義塾大学出版会

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