戦後日本の企業家と生産性運動 : 牛尾治朗氏(ウシオ電機(株)会長)のオーラル・ヒストリー(上)

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タイトル別名
  • センゴ ニホン ノ キギョウカ ト セイサンセイ ウンドウ ウシオ ジロウ ウシオ デンキ カブ カイチョウ ノ オーラル ヒストリー ジョウ
  • センゴ ニホン ノ キギョウカ ト セイサンセイ ウンドウ ウシオ ジロウ シ ウシオ デンキ カブ カイチョウ ノ オーラル ヒストリー ゲ
  • センゴ ニホン ノ キギョウカ ト セイサンセイ ウンドウ : ウシオ ジロウ シ (ウシオ デンキ (カブ) カイチョウ) ノ オーラル・ヒストリー (ジョウ)
  • Sengo Nihon no kigyoka to seisansei undo : Ushio Jiro shi (Ushio denki (kabu) kaicho) no oraru hisutori (jo)
  • Entrepreneurs and productivity movement in postwar Japan : an oral history interview with Mr. Jiro Ushio (chairman and CEO of Ushio Inc.)

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抄録

type:text

本資料は,牛尾治朗氏(ウシオ電機(株)会長)のオーラル・ヒストリーの全文である。オーラル・ヒストリーは,これまで埋もれていた歴史事実の発見だけではなく,ある歴史的イベントが起きるまでの当事者の意思決定プロセスやこれまで研究対象になりにくかった組織文化やインスティテューショナル・メモリーを捉えることを可能にする歴史資料のひとつである。 本資料の資料的価値は二つにわけられる。第一は,戦後日本の高度経済成長を読み解くうえで重要な鍵のひとつである日本企業による欧米経営技法導入の過程が明らかにされていることである。本資料から,牛尾氏が1962年に参加した日本生産性本部主催の海外視察を通して欧米の経営技法を自らの過去の知識や経験を踏まえて咀嚼し,それらを自らの経営に取り込んでいった過程がわかる。また,欧米経営技法の導入にあたって企業家・経営者が事前に欧米経営技法の知識を持っており,それを実際に見聞することによって自らの経営環境に適した技法を取捨選択していった可能性が示されている。 第二は,牛尾氏の企業家活動やウシオ電機の成長の原点を知る上で多くの示唆的な内容が含まれていることである。本資料は幼い日のGHQ 兵士との出会いや米国留学の経験が牛尾氏の後の企業家活動に重要な影響を与えたことを明らかにした。同社の歴史を知る文書資料は牛尾氏のインタヴュー記録などに断片的に見られるにとどまっていることから,本資料は同社の歴史や牛尾氏のライフヒストリーに関心を持つものにとっても有益な口述資料となっている。

商学部創立50周年記念 = Commemorating the fiftieth anniversary of the faculty 資料

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 50 (1), 241-255, 2007-04

    慶應義塾大学出版会

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