歴史的商店街の変容についての実態調査 : N商店街を例に

書誌事項

タイトル別名
  • Evolutional Changes in the Market Mall : N market mall in Kyoto
  • レキシテキ ショウテンガイ ノ ヘンヨウ ニ ツイテ ノ ジッタイ チョウサ N ショウテンガイ オ レイ ニ

この論文をさがす

抄録

本研究は,京都市内のN商店街を対象として,組織体としての変容を追跡調査する第1回パネル調査の成果報告である.N商店街は,長い歴史を持ち,京都の社会・経済・文化的にも重要な役割を果たしてきた.京都におけるN商店街の社会・経済・文化的重要性に反して,その変容を捉えることができるデータはあまり存在していない.本研究では,商店街組織,個店の2次元で,商店街がどのように変化に適応しているのかを捉える.  調査のきっかけとなったのはN商店街の構成員には,100年以上の歴史を持つ老舗も多いのだが,その商店街が近年急速に観光地化してきていることである.その原因としては,後継者不在によって廃業した店舗のあとに,観光客を対象にした新規参入の店舗が進出していること,また,従来は野菜や鮮魚などを中心として売っていた既存店舗も,店を改装してその一角にイートインコーナーをオープンしたり,食べ歩きのできる中食コーナーをオープンするなどが影響している.このように,店舗の多角化と観光地化は互いに商店街変容の要因となっている.  本調査の結果は,各個店が店舗の経営状況と商店街の変化を別のものとして捉えていること,多くの店舗が他の場所ではなくN商店街で経営をしていくことに大きな意義を見出していることなどを示している.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ