日本的経営研究におけるアベグレン的解釈の影響と限界

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  • ニホンテキ ケイエイ ケンキュウ ニ オケル アベグレンテキ カイシャク ノ エイキョウ ト ゲンカイ
  • The Effects and Bounds of Abegglen’s Comprehension in the Japanese Management Studies

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「日本的経営」に関する研究は,企業風土や労資慣行,日本人の価値観やメンタリティーなど文化論的な側面から論じる立場と,企業集団や所有構造,産業政策などの制度論的な側面から論じる立場の2つの側面がある。文化的側面からの分析は1958 年のアベグレンを始祖として,オオウチの「セオリーZ」などに受け継がれた。一方制度的側面からの分析は,1970 年代に盛んとなり,6大企業集団による系列内取引,長期的視野に立った先行投資などの特徴を明らかにしてきた。この考えはジョンソンの「日本株式会社」論などに発展した。しかし1990 年代以降,米国流の株主資本主義と,日本流の人本主義の対比に見られるようにコーポレート・ガバナンスの仕組みの違いに焦点が移ってきた。本稿では,これら日本的経営研究の系譜を明らかにするとともに,アベグレンの日本的経営分析の特徴を「アベグレン的解釈」と名付け,その影響および限界を考察した。その結果,アベグレン的解釈は,1950年,60 年代の日本の状況を説明する枠組みとしては有効に機能し,その後の論議に大きな影響を与えたが,個別最適という限界があり,地域的,時代的な変化を越えた普遍性を持つところまで至っていないという結論を得た。

identifier:https://repository.tku.ac.jp/dspace/handle/11150/842

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