小児看護学実習における看護技術経験の現状と課題

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タイトル別名
  • ショウニ カンゴガク ジッシュウ ニ オケル カンゴ ギジュツ ケイケン ノ ゲンジョウ ト カダイ
  • The actual situation and the problem of the nursing skills in pediatric nursing practice

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説明

少子高齢化や小児科病棟の閉鎖や、小児医療の充実が社会問題となっている現在社会において、小児医療の担い手である看護師の教育も重要になっている。それに伴い大学の看護教育における小児看護学の学習のあり方や小児看護技術の向上が課題となっている。そのため、現在本学看護学部4年次学生が行う小児看護学実習において使用している小児看護技術経験表を活用して、本学4年次学生の小児看護学臨地実習終了時の小児看護技術の習得状況を明らかにすることを目的として本調査を行った。その結果、食事、排泄、活動・休息、清潔など生活援助に関しては実習中に実施できる割合が高かった。特に、食事、排泄、活動・休息、清潔の機能及び状況に関するアセスメントでは8割以上の学生が「単独で実施」したと回答していた。その一方で、実施・見学の機会がなかったと回答していた学生もみられた。同じく食事、排泄、活動・休息、清潔の各援助のうち、環境設定や自立支援・介助については、2~5割程度の学生が実施・見学とも機会がなかったと回答していた。このことは、本学での小児看護学実習では、受け持つ患児について乳幼児がほとんどであり、家族が付き添っていることも大きな理由の一つと考えられる。さらに、実習でアセスメントや援助を行う際に、必ずしもその目的や意味を意識して行っているのではない可能性が示唆された。また、身体侵襲を伴う看護援助については、実施・見学とも機会がなかった項目も多いことがわかった。以上より、1.小児看護技術の習得度を向上させるためには、学生が実習中に行う患児や家族への関わりで看護技術を意図的に行えるよう意識づけることが重要であり、指導のあり方を再考する必要がある、2.実習の進め方として、一人の患児を受け持つことだけにとらわれずに、様々な形態を取り入れることで、看護技術を見学・経験できる機会を増やす可能性がある、3.すべての看護技術を小児看護学実習で体験することが重要ではなく、2009年4月の保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正も視野に入れた上で、他科目の講義・演習・実習と連携しながら、学生がそれぞれの科目で学んだことを小児の場合にどのように応用・統合するのか、その思考過程を育成するための授業・演習・実習の工夫が必要である、の3点が示唆された。

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