全反射X線光電子分光法によるマイカ状酸化物に収着したアルカリ金属の化学結合状態分析

書誌事項

タイトル別名
  • Chemical state analysis of trace-level alkali metals sorbed in micaceous oxide by total reflection X-ray photoelectron spectroscopy

抄録

層状酸化物に吸着した放射性セシウムの化学結合状態を明らかにするため、放射性セシウムの原子数に匹敵するレベルの極微量セシウムおよび他のアルカリ金属について、放射光を用いたX線光電子分光測定を行った。人造マイカ表面に吸着したセシウムでは、X線の全反射条件で光電子分光測定を行うことにより、1cm$^{2}$あたり100ピコグラム(200ベクレルの$^{137}$Csに相当)までのセシウムの測定が可能となった。光電子分光スペクトルを詳細に解析したところ、セシウムとルビジウムでは極微量になるほど、内殻結合エネルギーが低エネルギー側にシフトした。一方、ナトリウムでは逆の傾向が認められた。これらの化学シフトを点電荷モデルにより解析した結果、いずれのアルカリ金属においても、金属-酸化物間の結合は微量になるほど、より分極が大きくなりイオン結合性が高くなることが明らかとなった。

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