ホルスタイン種子牛にみられた肺動脈弁下型両大血管右室起始症の1症例

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抄録

肺炎を疑った2カ月齢のホルスタイン種子牛に全収縮期様の心雑音が聴取された。心音図解析の結果、心雑音は拡張期後半から収縮期前半にかけて連続するものであった。症例は心不全症状を呈することはなかったが、多血症が認められ、心超音波検査から心室中隔欠損と肺動脈拡張を伴う両大血管右室起始症と診断された。病理解剖により、本症例は動脈血と静脈血が混合しやすいとされる肺動脈弁下型両大血管右室起始症と確定診断された。本症例ではチアノーゼ等の心不全症状がみられなかったが、これは多血症により低酸素血症が代償されたこと、また肺動脈狭窄がなく適度な肺血流量が確保されたことによると考えられた。

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