不登校傾向に関する研究の動向と課題

書誌事項

タイトル別名
  • A literature review on school refusal and maladjustment
  • フトウコウ ケイコウ ニ カンスル ケンキュウ ノ ドウコウ ト カダイ

この論文をさがす

抄録

40017236978

本研究の目的は,不登校傾向に関連する研究の動向を明らかにし,学校における支援のための今後の研究の可能性を検討することであった. 1983~2009年に発表された不登校傾向に関する論文を医学中央雑誌を用いて検索し,文献研究を行った.その結果,不登校傾向に関連する研究は年々増加し,様々な分野で研究がなされていることが明らかになった.今後の課題としては,不登校予防のための支援プロセスを開発すること,不登校児童生徒への校内外の連携支援についての実態を把握し,実践可能な連携支援モデルを構築すること,得られた知見を一般化するために用語の定義を行い,信頼性,妥当性の検証された尺度を使用し,適切な統計手法を用いた分析を行う必要があること,成人期におよぶ長期のひきこもりや社会的不適応を予防するために,高校生を対象とした研究を充実させることがあげられた.不登校傾向の要因については,関連要因の探索の段階にとどまっており,学校不適応予防の具体策を構築するには,今後,因果関係解明のための縦断研究とともに,実践に活用できる支援方法を開発するための実証的な研究の積み上げが望まれる.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ