ベネズエラの地域通貨Panal

機関リポジトリ HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • ベネズエラ ノ チイキ ツウカ Panal

この論文をさがす

抄録

2017年12月,ベネズエラのカラカス(1月23日地区)で,ボリバル革命と左翼政権を支持する組織が地域通貨Panal(パナル)を発行した. ベネズエラの政治経済は混乱が続いている.原油輸出は2000年以降,輸出総額の7 割から9 割を占めてきたが,2008年の国際金融危機以降,大幅に下落しており,原油輸出による外貨の獲得は困難になる一方,ハイパー・インフレも落ち着きそうもない.法定通貨ボリバルも,ブラックマーケットの対USドル実勢レートが公定レートの1万分の1以下の価値という状況に陥っている. 今回の地域通貨の発行は,ハイパー・インフレ下の貨幣不足で,商品の購入が困難という状況を打破することが目的だという.1月23日地区では,Panalとボリバルの2 つの通貨が流通することになるが,法規制によりPanalはボリバルに交換できない.むしろ,ハイパー・インフレ下であれば,両方向とも,交換ができないほうが混乱が起きない可能性が高い.

小畑二郎教授定年退任記念号

収録刊行物

  • 経済学季報

    経済学季報 67 (4), 41-67, 2018-03-30

    立正大学経済学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ