韓国経済の対外取引関係における政策的課題

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  • カンコク ケイザイ ノ タイガイ トリヒキ カンケイ ニ オケル セイサクテキ カダイ

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抄録

近年の世界経済情勢をみれば,冷戦崩壊後にみられた全体的な成長軌道から,リーマン・ショック(2008年)に続いたユーロ危機(2010年)の影響などにより,世界経済情勢は,不安定な様子を呈しており,比較的に高い成長を続けてきた新興国までも,これまでの成長ぶりの減速感が明白なものとなってきている。2016年のIMF のWORLD ECONOMIC OUTLOOK(WEO)のタイトルは,「Too Slow for Too Long」となっている。その日本語訳は,「余りにも長期にわたる余りにも緩慢な成長」となっている。さらに,最近におけるBrexitによる混乱は,世界経済の安定成長をより一層危ぶまれる状況にしている。このような世界経済の中で,韓国銀行は,今年の6月上旬,基準金利を,1.5%から,史上最低水準の1.25へと引き下げた。その背景には,国内経済の成長を支えてきた輸出拡大が望めないことに加えて,輸出産業の中核をなしてきた造船および海運業の構造調整の影響で,内需の伸びも期待できないからなどの要因があると分析されている。本稿は,このような世界経済情勢の不安定な環境のなかで,国内経済成長の対外依存の高い韓国経済が,どのような安定かつ持続的な成長への道を模索できるのか,つまり望ましい対外取引関係の再構築に向けた戦略的対応のあり方について検討することを目的とする。

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