オオスカシバの相変異-2-累代飼育における密度の影響〔英文〕

書誌事項

タイトル別名
  • Phase Polymorphism of the Larger Pellucid Hawk Moth, Cephonodes hylas L. (Sphingidae) II : Effects of density in the successive generations (Agriculture)
  • オオスカシバ ノ ソウ ヘンイ 2 ルイダイ シイク ニ オケル ミツド ノ エイキョウ エイブン
  • オオスカシバの相変異 II : 累代飼育における密度の影響(農学部門)

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抄録

クチナシの葉を食害するオオスカシバ幼虫の多型現象は幼虫期における生息密度に依存しておこり, また低温は褐色出現に影響を及ぼすことをさきに報告したが, 本実験では, 5令期幼虫体色, 発育期間および死亡率に及ぼす生息密度の累代的影響について検討した。その結果, 親世代の幼虫期における密度や5令期の体色型によって子世代の幼虫体色が決まるのでなく, むしろ子世代幼虫の発育初期における密度如何によって決定される。同一飼育密度を2代にわたって続けると, 子世代には黒化型幼虫の出現がやや増すが有意でない。それに反して, 同一密度での累代飼育によって, 子世代幼虫の発育は特に遅延し, 蛹の発育期間は著しく短縮する。さらに死亡率も累代的に増加する。しかし, 5令期幼虫の糞重量に及ぼす累代的影響はみられなかった。このように, 世代から世代への密度効果の伝達をみると, 幼虫期における環境条件に対する適応として多型が存在するといえる。

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