スギ雄花の開花前の大量落下; 1994 年生育期の異常な少雨高温の影響(林学)

書誌事項

タイトル別名
  • スギ雄花の開花前の大量落下;1994年生育期の異常な少雨高温の影響
  • スギ オバナ ノ カイカ マエ ノ タイリョウ ラッカ 1994ネン セイイク
  • Heavy fall of Sugi male strobili before anthesis due to abnormal hot and dry weather during the growth period in 1994 (FORESTRY)

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説明

生育期に異常な少雨高温であった1994年には大量のスギ雄花芽が分化し, 翌春には莫大な花粉を放出した。1994年7月∿1995年7月までの期間, リタートラップを12林分に設置して未開花および開花雄花量を調査した。老齢および高齢林のなかに, 秋季から冬季にかけて未開花雄花の大量落下がみられた。この雄花の大部分は花粉を形成していない発育不全のもので, この落下は未開花雄花の落下の少ない林分でも同様に認められた。この発育不全雄花の落下は秋季に集中する林分と冬季のものとがあった。未開花雄花数の割合が高い林分では, 花粉を含めた雄性器官への同化産物の投資が300∿350g/m^2 (3∿3.5t/ha)に達していた。老齢および高齢林にみられるこの大きな投資から判断すると, 未開花雄花の大量落下は雄性器官への投資を軽減するための雄花の間引きであることが示唆された。また, 生育期の水分ストレスがこの資源制限に相乗的にはたらいたと考えられた。

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