桑の実アントシアニン色素の安定性(B. 生活科学)

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タイトル別名
  • 桑の実アントシアニン色素の安定性
  • クワノミ アントシアニン シキソ ノ アンテイセイ
  • Stability of Anthocyanin Pigments of Mulberry(B. LIVING SCIENCE)

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抄録

桑の実より3種類の粗色素液, MP-1(糖成分を多量に含有する濃縮色素), MP-2(イオン交換樹脂Dowex 50W-X4,H型, 処理により糖を主体とする非吸着成分を除去した濃縮色素), MP-3(Candida utilisを培養して糖成分と少量の窒素成分を除去した濃縮色素)を調製し, その安定性を検討した。これらの色素はpH3.0以下の酸性のもとで, 鮮明な紫紅色を呈したが, pHの上昇とともに著しい淡色化と色調の変化が見られた。pH2.2,100℃の加熱処理により, いずれも徐々に退色したが, その速度は市販のベタシアニン系天然色素に比べると著しく遅く, 天然色素としては安定な部類に属することが明らかとなった。紫外線に対しては, MP-1,MP-2は強酸性下で不安定であったが, その程度は合成色素(赤色102号)と同等であり, 一方, 醗酵した桑の実色素MP-3は強酸性下においてもきわめて安定であった。さらに市販炭酸飲料に, 桑の実色素を添加し着色安定性を調べたところ, 十分実用化に耐える結果を示した。本研究の一部は文部省科学研究費補助金の援助によった。

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