未熟練林業労働者における枝打ち作業の強度と功程(B. 生活科学)

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タイトル別名
  • 未熟練林業労働者における枝打ち作業の強度と功程
  • ミ ジュクレン リンギョウ ロウドウシャ ニ オケル エダウチ サギョウ ノ
  • Work intensity and operational efficiency of pruning by unskilled forest workers (B. LIVING SCIENCE)

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抄録

3人の未熟練林業労働者を被験者とし, 実験室でステップテストを行ない, 各人における心拍数と酸素摂取量およびエネルギー消費量の関係を求めた。次に, 山林において一定時間ずつ, 鉈および鋸を用い, 地上から手の届く範囲で枝打ちを行なわせ, 用具別の枝打ち本数を計数するとともに, その間の心拍数を1分ごとに記録し, ステップテストの結果を用いて作業強度を計算した。鉈および鋸を用いた枝打ち作業の酸素摂取量の, 3人の被験者全員における平均値は, それぞれ21.7および23.3ml/kg/min, RMRについては5.34および5.81であった。これは, 熟練者の梯子を用いた作業に匹敵するかまたはそれ以上の強度に相当した。単位時間当たりの酸素摂取量は, 鉈を用いた作業の方が鋸よりも6.9%小さく, 枝打ち1本当たりの酸素摂取量は, 鉈の方が鋸より8.7%大きかった。これは, 未熟練者にとって鉈の方が操作がむずかしく, 思い切って力を込めることができず, 結果として作業に時間がかかるためで, 単位時間当たりの枝打ち本数は, 鉈を用いた作業は鋸に対し14.5%小さかった。作業強度は鋸の方が鉈より大きかったが, その差は酸素摂取量にして1.6ml/kg/min, RMRで0.47と, 生体にとってわずかな差にすぎなかったので, 作業の能率からみて, また, 樹幹に傷をつけたり作業者が怪我をする可能性が鋸において低いこともあわせ, 未熟練者が枝打ちに用いる用具としては, 鉈より鋸の方が適当である。

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