在日中国人留学生のストレスと異文化適応に関する研究 ─ 文化受容態度と自己効力感からの分析 ─

書誌事項

タイトル別名
  • The Effects of Acculturation Attitudes and Self-efficacy on cross-cultural stress and cross cultural adjustment of Chinese Students in Japan.
  • ザイニチ チュウゴクジン リュウガクセイ ノ ストレス ト イブンカ テキオウ ニ カンスル ケンキュウ ブンカ ジュヨウ タイド ト ジコ コウリョクカン カラ ノ ブンセキ

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抄録

本研究の目的は,①在日中国人留学生が,異文化の生活の中で体験するストレスの質と量及び領域別にストレスに寄与する個人差を説明する要因を調査すること,②異文化適応状態の良好な留学生の特徴を把握し,異文化不適応の状態にある留学生に対する支援策を検討することにある。具体的には,留学生側のパーソナリティ要因として「文化受容態度」及び「自己効力感」,また中国人留学生を取り巻く環境要因その他の要因として「滞在期間」,「日本語能力」,「経済状態」のそれぞれについて,ストレスとの関連を検討した。その結果,パーソナリティ要因の「自己効力感」が全体的に,「統合的文化受容態度」は部分的に,中国人留学生の異文化適応の促進と異文化ストレスの減少に寄与することが示された。在日中国人留学生に対する異文化適応支援策としては,異文化における対人領域, 達成領域の双方でのポジティブな体験を促進し, 達成領域におけるネガティブな体験を軽減するための「自己効力感」の向上を目指す認知行動カウンセリングが,日本語能力の高い留学生に対しては,異文化での対人領域におけるポジティブな体験を促進するための,統合的文化受容態度を促進する異文化カウンセリングが有効である可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 情報と社会

    情報と社会 (21), 151-160, 2011-03-11

    江戸川大学

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