創刊号70冊に見る昭和21年の出版状況

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  • A New Epoch in Publishing in the 70 magazine's First Issue in the Year Showa 21

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抄録

2001(平成13)年度宮崎学術振興財団の助成による研究報告として私は2002(平成14)年4月,『宮崎公立大学716田中薫研究室所蔵雑誌創刊号目録-創刊号に見る戦後日本の雑誌』と題する報告書をまとめた。これは,私の研究室に所蔵されている約370冊の創刊号を,学生をはじめ多くの人々が有機的に活用できるようにするため,その目録を作成したものである。そして,その中に1946 (昭和21)年のものが70冊含まれていることがわかった。第二次大戦の終戦は1945 (昭20年)年8月15日。それから12月までの約4か月間はまだ日本中が混乱のさなかにあり,この時期に創刊された雑誌はきわめて少ない。しかし,翌昭和21年になると激増する。そうした混乱と新しい時代の夜明けともいうべき,この時代の出版界の状況を,この70冊の手持ちの資料を分析することで,どのような時代状況にあったかをあきらかにしてみたいと考えた。これらの雑誌は,基本的なスタイルは雑誌の形式(条件)を備えてはいるものの,あらゆる物的な面で,現在のものとは大きく異なっている。紙も,印刷も,製本も,その背景にある国の事情も。あれから約60年,すでに21世紀を迎え,日本の国力も,経済力も,社会的な事象も,風景,風土までが大きく変わった.それに伴って,出版状況も大きく変っている.しかし,そこには今日の繁栄につながる原点となった時代の姿がある。そこでその状況比較を試み,これらの70冊の資料分析から読み取れることを確認してみたい。

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