気管吸引操作と環境への汚染に関する調査研究

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抄録

【目的】開放式気管吸引処置(以下気管吸引処置)がなされる患者の療養環境周辺が、どの範囲に飛散汚染するかを実験的に推定することを目的とした。【方法】看護師を対象として吸引後に生じる模擬痰が飛散したベッドシーツにおける点状の汚染量の把握とATP(アデノシン三リン酸)量を汚染の指標として、ベッドシーツやベッド柵などへの飛散量を測定して比較した。【結果】ベッドシーツにおいて飛散した点状汚染の最も多かったのは模擬気管口に隣接した左右30cm×30cmの区画であった。ATP量の比較では、ベッドシーツへの汚染が最も多かった。【考察】吸引操作では、模擬気管口の周辺30cm×30cmの区画における汚染は強いことが推定された。吸引操作は繰り返し行われることから日常的に飛散汚染で暴露していることが示唆された。

収録刊行物

  • 感染防止

    感染防止 25 (5), 46-50, 2015-10

    感染防止研究会

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