日本近代文芸における「家」 : 志賀直哉における「家」の帰還構造について

書誌事項

タイトル別名
  • The Status of ‘Family’ in the Modern Japanese Literature : with Special Focus to Family Cyclic Scheme in Naoya SHIGA
  • ニホン キンダイ ブンゲイ ニ オケル 「 イエ 」 : シガ ナオヤ ニ オケル 「 イエ 」 ノ キカン コウゾウ ニ ツイテ

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抄録

明治,大正の日本作家は自我と自立の過程で,父との間に葛藤,対立が生じ,そのことが「家」の構造とも深くかかわっていると思われる。志賀直哉は父と葛藤のあげく,その「家」から脱出する始末となる。自分が父となるにつれて,調和精神に目覚め,夫婦関係から家族関係まで全面的に円満な和解に至る形をとることによって,「家」へ回帰した。志賀直哉における「家」のモティーフは,このような循環的図式構造においてとらえられる系譜の中に位置付けることができよう。そして,このような循環的図式は志賀直哉に限られるものではなく,日本近代文芸の基底を貫いている「家」のモティーフの基本構図の一つを示すものであると考える。

収録刊行物

  • 日本語日本文学

    日本語日本文学 (23), 71-87, 2013-03-20

    創価大学日本語日本文学会

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