『狐物語』第十一枝篇の構成 : 武勲詩への導入部に於ける

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  • キツネ モノガタリ ダイ11 シ ヘン ノ コウセイ ブクンシ エ ノ ドウニュウブ ニ オケル

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一名「皇帝ルナール」とも呼ばれている第十一枝篇は『狐物語』全枝篇の中で最長の作品である。諸大家の評価は従来この枝篇に対して決して好意的ではなかったが,昨今いろいろな角度からこの作品を再吟味する試みが見られるようになった。筆者も『狐物語』の翻訳に際しこの枝篇を担当した経験から,その試みの必要性に気づいた一人である。本稿では個々の問題の考察に入る前段階として,枝篇の構成全般の概観を行なっておきたい。

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