Pearl における文学技法の普遍性について 第二部

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  • The universality of literary techniques in Pearl : part II

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抄録

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拙稿『Pearlにおける文学技法の普遍性について』(1998)で夢形式が死者と生者との出会いを可能とさせるのに最も自然な技法であり、夢の中での対話で、同一物を指すのに代名詞変換がなされ、それによって登場人物の心理的乱れを表現したり、主人公から詩人への切り替え、即ち主観的表現から客観的表現への切り替えである事、語彙的に最終行が一行目に循環していることを代名詞変換が補強していることなどが、能との比較において普遍的技法であると、明らかにされた。本稿では、引き続きpearlと能との比較において、夢形式の謎的、予言的、神託的性質が、いかにうまく教育的な局面に利用されているか。また循環形式は厳密な意味で螺旋形式であり、意味的、象徴的見地から、永遠性を追い求める過程の図式である事を明らかにする。又、草木の象徴にみる、生と死、死と回生、の両義性がキリスト教的伝統に限らず、もっと普遍的な文学上の工夫であり、親と死別する子供が、常に天上となる者との結びつきを強く指示された小さな物で象徴されている事を明らかにする。

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