吉田健一における文学形成 : 『新訳アンデルセン御伽噺』と『和訳聊斎志異』を中心に

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  • Literary Growth in Yoshida Ken-ichi : Considered mainly through fairy tales of Hans Andersen-Newly Translated and Liao Zhai Zhi Yi

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抄録

吉田健一はエッセイなどの中で、子ども時代の愛読書として、繰り返し、長田幹彦訳『新訳アンデルセン御伽噺』と柴田天馬訳『和訳聊斎志異』を挙げている。これらの本が吉田健一の文学形成にどのように与っているかを明らかにするために、彼がそれらの作品に関して言及している箇所を、『新訳アンデルセン御伽噺』と『和訳聊斎志異』の中から特定する。そのうえで、この二冊が吉田健一の文学観や文章観にどのような影響をもたらしたのか、さらに、彼の作品、とりわけ創作にどのように摂取されているかを、具体的に指摘して考察する。これによって、吉田健一の場合、少年時代の読書体験が、非常に大きな役割を果たしており、その時の感動が不断に持続して、生涯にわたる伸びやかな文学活動の推進力となったことを例証する。

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