「広告」を飼い馴らす : 1950年代の「装苑」における誌面構成と「広告」の関係に焦点を当てて

書誌事項

タイトル別名
  • Domesticating Advertisement : The Relationship between Page Layout and Advertisement in SO-EN in the 1950s
  • コウコク オ カイナラス : 1950 ネンダイ ノ ソウエン ニ オケル シメン コウセイ ト コウコク ノ カンケイ ニ ショウテン オ アテテ

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抄録

既存の雑誌研究では70年の『an・an』など「新興女性誌」の創刊を画期として、女性雑誌に大きな変化がおきたとされ、消費社会の進展およびそれに伴う広告の増加がその要因であると説明されていた。雑誌広告研究においては50年代後半の週刊誌ブームを雑誌広告が盛況となるきっかけと位置付けてきたが、その要因として挙げられていたのは消費社会の進展など、雑誌研究が70年代の変化とするものと重なっていた。この奇妙な時期のズレと挙げられる要因の一致に対して、本稿では、消費社会化という外部要因ではなく、1950年代の『装苑』でなされていた広告に関する読者と編集部と広告主とのやり取りを素材として、同誌の誌面構成の変化と関連付けながら以下のことを明らかにした。まず、50年代前半には広告が読者からジャマな存在として見なされており、そのような反応に対する対応として広告主とのタイアップや印刷製本上の制約を利用した工夫がなされていた。そして、50年代議半には誌面の特徴に広告をあわせることで広告が載りやすい誌面構成が模索され、「新興女性誌」に連続していくレイアウトが誌面上に登場した。

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