倫理的消費者の概念整理 ─ 研究者へのインタビュー調査を基に─

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タイトル別名
  • リンリテキ ショウヒシャ ノ ガイネン セイリ : ケンキュウシャ エ ノ インタビュー チョウサ オ モト ニ
  • The concepts of ethical consumer -Based on interview for researcher-

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抄録

type:Article

2000年以降、世界的に「倫理的(エシカル)」な消費の在り方を追及するライフスタイルに対して、関心が高まった。環境問題や南北問題、女性や難民といった人権の問題など、国際社会が協働し、解決を図らなければならない問題が頻出したことが背景にある。日本でも、2002年にヨハネスブルグサミットで「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年(DESD)」の提案、2014年に「日本エシカル推進協議会」が発足するなどの動きがみられる。そこで本研究は、日本、北欧、カナダ、韓国の研究者が捉える「倫理的消費」を基に、「倫理的消費」の在り様と、これからの消費者に求められる課題を明らかにすることを目的とした。インタビューから、倫理が人々の作った法律やルールを超越したものであり、地球規模の問題を解決するためには、様々な価値観、文化的背景を持った人々によって倫理的消費のケースを積み重ねていくことが必要であることを指摘した。またこれらの素養は知識の充実だけではなく、思考力や想像力、表現力、実践力を高める教育の必要性が示された。ESDの様に教科にとらわれない横断的な視点を教育の中に取り入れた指導が求められる。子どもをとりまく消費文化を含め、子どもたちの消費行動の実態と倫理的消費者育成のための教育上の課題を明らかにする点が今後の課題である。

収録刊行物

  • 生活文化研究

    生活文化研究 54 27-36, 2017-03

    大阪教育大学家政学研究会

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