ヤスパースとオルテガの大学論 : 大学の理念,教養概念,授業のあり方についての比較検討

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  • ヤスパース ト オルテガ ノ ダイガクロン : ダイガク ノ リネン キョウヨウ ガイネン ジュギョウ ノ アリカタ ニ ツイテ ノ ヒカク ケントウ
  • Jaspers' Idea of University

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ヤスパースは,研究と教授の統一の立場から,オルテガは教養(文化)を中心とし研究・教授とを区別する立場から,大学の理念について,それぞれきわめて意義深い議論を展開している。ヤスパースは,大学の使命を,研究者と学生の共同体における真理の探究だとし,学問を通して真理が探究されるがゆえに,研究は大学の基礎要件だとする。また,真理は伝承されるべきであるゆえに,教授は大学の第二の使命であるとし,研究と教授を互いに分かつことができない統一のなかでとらえる。これに対しオルテガは,大学は,教養(文化)の教育,すなわち,時代の所有する生きた理念の体系の教授こそが大学の根本的使命だとする。また,大学における授業の対象についていえば,ヤスパースが,本来の理念からは授業の対象を少数の最優秀の学生とすべきであるとするのに対し,オルテガは,あくまでも平均的学生から出発しなければならないとしている。本稿では,大学改革に関する問題意識を出発点として,大学の理念についてのヤスパースおよびオルテガの議論を比較考察する。

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