慰めの自己戯画化と誇りの自己戯画化 : 揚雄「逐貧賦」と韓愈「送窮文」の比較を通して

書誌事項

タイトル別名
  • 慰めの自己戲畫化と誇りの自己戲畫化 : 揚雄「逐貧賦」と韓愈「送窮文」の比較を通して
  • ナグサメ ノ ジコ ギガカ ト ホコリ ノ ジコ ギガカ : ヨウユウ 「 チクヒンフ 」 ト カンユ 「 ソウキュウブン 」 ノ ヒカク オ トオシテ
  • Comparing Yang Xiong (揚雄) "Zhu pin fu (逐貧賦)" and Han Yu (韓愈) "Song qiong wen (送窮文)"

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抄録

論題に用いた「自己戯画化」とは、不幸な自分を意識的におもしろおかしく描き出す手法のことである。このような表現が韓愈の作品に見られることは、川合康三「韓愈と白居易-対立と融和-」ですでに指摘されている。本論考は、韓愈の作品には、川合氏が指摘するような「慰めの自己戯画化」だけではなく、論者が指摘するような「誇りの自己戯画化」も見られることを「送窮文」の検討を通して論証しようとするものである。誇りの自己戯画化とは、不幸な自分や不幸をもたらす自身の性格に対する誇りを、自己を戯画化することによって表現するという手法のことである。韓愈の自負心は「送窮文」においては次のような方法で表現されていた。それは、自身のなかの対立する一面を主役と脇役とに分け、一方の自分が一方の自分にやり込められることによって、さらには敬意や好意を示すことによって、自分で自分を肯定する、つまりは自身の性格を誇るという方法である。

収録刊行物

  • 大東文化大學中國學論集

    大東文化大學中國學論集 31 57-84, 2013-12-31

    東京 : 大東文化大學大學院文學研究科中國學専攻院生研究會

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