トレーダの取引行動の遅延を要因として複雑さを生じる市場モデル

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タイトル別名
  • トレーダ ノ トリヒキ コウドウ ノ チエン オ ヨウイン ト シテ フクザツ サ オ ショウジル シジョウ モデル
  • A Market Model of Complex Phenomena by Delay of Trader’s Action
  • 知識処理・知識コミュニティ

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抄録

本論文は，経済市場の複雑さを生み出す一要因である“働きかけの限界” を市場での取引行動における時間的な制約ととらえ，トレーダの行動に遅延を組み込んだ市場のモデルを提案する．提案モデルを組み込んだ人工市場でシミュレーションを行い，得られた価格系列を相関次元分析することで，提案モデルの振舞いは複雑系を形成することを確認し，“働きかけの限界” が複雑さを生む一要因であることを示した．さらに，振舞いの複雑さを定量的に表象するために決定論的カオスが存在しうることを分析し，フラクタル次元を用いて定量化を行った．また，実験よりトレーダの取引行動の遅延幅を増加させることで複雑さが増加することを確認した．最後に，“視野の限界” としてとらえた市場モデルの複雑さを計測し，提案モデルより得た複雑さと比較することで，本論文が提案する“働きかけの限界” を考慮したモデルは，これまでに提案されている“視野の限界” としてとらえた市場モデルと，ほぼ同程度の複雑さを生み出せることを確認した．

This study describes the research about a relationship between delay of trader’s action and behavior of artificial markets. We hypothesize delay of trader’s action caused complexity of market behavior. We propose the market model using trader with delay of dealing action. We examined the hypothesis using simulation and adopt correlation dimension analysis in order to this model’s behavior is complex system, and quantified complexity using fractal dimension. As a result, we found that the model is possible to produce as complicated as the market including limit of scope.

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