『よき歌』におけるヴェルレーヌの魂の状態 : 語彙及び表現研究を中心にして

Bibliographic Information

Other Title
  • ヨキ ウタ ニ オケル ヴェルレーヌ ノ タマシイ ノ ジョウタイ ゴイ オヨビ
  • L'etat d'ame de Verlaine vu par l'etude de son vocabulaire et de ses expressions dans La Bonne Chanson
  • ヨキ ウタ ニ オケル ヴェルレーヌ ノ タマシイ ノ ジョウタイ : ゴイ オヨビ ヒョウゲン ケンキュウ オ チュウシン ニ シテ

Search this article

Description

type:論文(Article)

《よき歌》において、ヴェルレーヌの自己は《土星人の歌》の中における『枯葉』の如く、あるいは《艶なる宴》における仮面を被ったピエロの如く、逃げ隠れはしない。ここではヴェルレーヌの魂の告白が赤裸々に彼自身によって歌われており、その歌の受信者もマチルドその人である。このような事実に基づいてヴェルレーヌの魂の告白を聞き、そこからこの《よき歌》に描かれた詩人の魂が如何なるものかを探ることが本論の目的である。それは、後の作品でもある《言葉なき恋歌》(Les Romances sans paroles)及び《叡知》(Sagesse)を理解する上でも重要な作業の一過程であるように思われる。なぜならば、自己の魂を告白するというヴェルレーヌの独自の詩法は、先に述べたように《よき歌》から始まり、最後の傑作《叡知》においてその頂点に達するからである。いわば、これまで見えなかったヴェルレーヌが徐々に姿を現すのである。本論はこのような意図のもと、語彙研究及び表現研究を中心に、詩人の魂の状態を考察したものである。

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top