審査論文 幼児における降園後の運動遊びと睡眠の関連

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タイトル別名
  • Association between home exercise and sleep for children
  • シンサ ロンブン ヨウジ ニ オケル コウエン ゴ ノ ウンドウ アソビ ト スイミン ノ カンレン

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説明

子どもの生活習慣の乱れや身体を動かす機会の減少が指摘されている。本研究の目的は、幼児における降園後の運動遊びや遊び環境と睡眠との関連について検討し、どのような生活が体を動かす遊び(運動遊び)の増加を促すかを明らかにすることであった。  東京都A区内の幼稚園・保育所・幼保園に通う3 ~ 5歳児を対象に子どもの生活リズムと発達に関する調査を実施し、運動遊びに関する設問(降園後の遊び場や、遊び相手、遊びの内容、遊ぶ時間、運動系習い事の有無)の回答を集計・解析した。同時に2週間の睡眠調査も行った。  「降園後、何をして遊ぶことが多いですか」との設問に対して「運動遊び」と回答した者の割合は44.4%であった。対象児のおよそ半数は、降園後自宅の中できょうだいと遊んでいた。対象児の睡眠は、首都圏の幼児の睡眠習慣と大きなちがいはみられなかった。降園後の運動遊びの有無と遊び環境について検討した結果、運動遊び「あり」は「屋外」で遊ぶ割合が高く、「同年代の子ども」と遊んでおり、運動遊び「なし」は「ひとりで遊ぶ」が多いことが明らかとなった。運動遊びとの関連が認められた遊ぶ場所と睡眠では、降園後屋外で遊ぶ幼児は、屋内で遊ぶ幼児と比較して就床時刻が早く、夜間睡眠時間が長かった。しかし、保育施設別にみると、運動遊びや遊ぶ場所と睡眠の関連は示されなかった。  これらの結果から、幼児の降園後の運動遊びの有無と遊び場・遊び相手との関連や、遊ぶ場所と就床時刻や睡眠時間との関連が認められた。運動遊びは屋外で同年代の子どもと行っていることが明らかとなり、降園後屋外で遊べるような生活が降園後の運動遊びを促す可能性が示唆された。

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