運動負荷試験によって房室伝導障害が進展した高度房室ブロックの1例

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  • High-Degree Atrioventricular During Exercise Stress in a 79-Year-Old Man with First-Degree Atrioventricular Block at Rest

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説明

房室伝導は交感神経の働きにより,運動負荷にて改善することが知られており,運動負荷にて房室伝導が悪化する場合,His 束以下の障害が示唆される.このため,運動負荷により高度房室ブロックへと進展がみられるⅠ度房室ブロックの症例は比較的まれであり,これまでの報告も数少ない.今回経験した症例は79歳,男性.数年前に一度失神した既往はあるが,その後は明らかな症状なく経過していた.入院数日前より労作時に息切れが出現するようになった.当院で精査を施行したところ,もともとの心電図ではⅠ度房室ブロックを認めたが,マスターダブル運動(2段階)負荷試験にて2:1房室ブロックを認めた.血液検査,胸部単純写真,心エコー検査,心筋血流シンチグラフィーでは異常なし.有症候性の高度房室ブロックとして恒久的ペースメーカ挿入術の適応と考えられた.DDD ペースメーカ挿入し,術後は良好な経過を得られたため,第12病日に退院となった.

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