新潟県の病院・高齢者施設における災害時用非常食・備蓄食の準備状況に関する調査

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タイトル別名
  • Study pertaining to the preparation status of disaster-emergency/stocked at hospitals and elderly care facilities in Niigata Prefecturefood
  • ニイガタケン ノ ビョウイン ・ コウレイシャ シセツ ニ オケル サイガイジヨウ ヒジョウショク ・ ビチクショク ノ ジュンビ ジョウキョウ ニ カンスル チョウサ

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抄録

本研究では、現在の新潟県の病院と高齢者施設における災害時の非常食・備蓄食の準備状況をアンケート調査し考察した。調査は、2013(平成25)年5 〜6 月、新潟県内の給食施設395 施設(病院128、高齢者施設267)の管理栄養士に回答を依頼し、205 施設(病院71、高齢者施設134)から回答を得た(回収率51.9%)。その結果、災害時における危機管理マニュアルが182 施設(88.8%)で整備されており、非常食・備蓄食は、201 施設(98.0%)とほとんどの施設で備蓄されていた。非常食・備蓄食の備蓄量は、3 日分が最も多く、平均2.4 ± 0.9 日分で、保存期間が3 〜4 年の食品を備蓄している施設が47.2% あった。備蓄食品は、主食が、お粥(レトルト・缶)、アルファ化米、レトルトご飯の順に多く、主菜、副菜が、缶詰、レトルト、フリーズドライの形態で、魚・肉料理や野菜の煮物が多かった。また、主食・主菜だけでなく、野菜や果物などの副菜も備蓄し、1 食分の献立として組み合わされていた。水については、飲料用と調理用に分けて備蓄している施設が多かった。飲料用として平均2.4 ± 1.6 日分、1 人1 日1.8 ± 1.2ℓ となった。非常食・備蓄食および水の保管は、86.1% が施設内に保管しており、更新方法としては、賞味期限内に日常献立や避難訓練時に使用し、入れ替えていることがわかった。また、施設の厨房の熱源は「ガス+ 電気」「ガス+ 電気+ 蒸気」のように複数の熱源を備えている施設が78.5% あった。食材料以外の備えとして、調理用にガスコンロなどの熱源を20.8% の施設が備蓄していた。 以上の結果から、新潟県の病院・高齢者施設における非常食・備蓄食の準備状況が明らかになり、地域防災計画を基に準備が進められていることが明らかになった。また、危機管理マニュアルの見直しを検討している施設が8.3%、非常食の備蓄量が4 〜5 日以上の施設が2.5% あることも明らかになった。これらの施設は、東日本大震災後に見直しを図っていると推察された。

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