生活行動圏からみたコミュニティ政策の方向性

抄録

千葉県流山市美田地区では, つくばエクスプレスの開通と市の整備したタウンバス(「流山ぐりーんバス」) が住民の最寄り駅をシフトさせた。つまり, 都市計画とモビリティ・マネジメントがマッチングして住民のモビリティを変化させたのである。レジャー行動から見ると, そのことは美田地区の凝集性を高めることにつながったと考えられる。 一方, 美田地区から徒歩・自転車移動圏内にある江戸川台地区におけるガーデニング活動は, コミュニティ内へ閉じていく傾向にある美田地区のベクトルを外に向け交流を高める資源として注目に値する。自宅の庭の緑化を通して「コミュニティ・ベネフィット」を意識させコミュニティの活性化を図るという市策である「流山グリーンチェーン戦略」を考えたとき, 美田自治会と江戸川台東自治会という近隣の2 つの自治会に交流を持たせることは, コミュニティ政策上の課題と言える。ただしそのためには, 美田自治会に対してモビリティ・マネジメントを行って, 江戸川台方面への交通行動から引き起こされる関心を喚起すべきである。その際, 日常生活の行動範囲において「可視化」に有効であった緑のカーテンだけでなく, より広い範囲で情報を共有するツールとしてGIS の導入は有効であろう。

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050564288173817856
  • NII論文ID
    120005459770
  • Web Site
    https://edo.repo.nii.ac.jp/records/57
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

問題の指摘

ページトップへ